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39.桜並木を通り抜けて
2013年11月07日 00:09
夢の中を歩いているようだった。
前方を歩く2人の男女は、慣れたような素振りでこの空間を歩いていた。
神秘的な薄紅が龍雅たちを優しく包み、穏やかに迎え入れた。
この光景は――以前にも見たことがあった。
かつて魔法学校で、何度も通った通学路の桜並木。
あれと似通っていて、あの時の時間に戻ってしまったような錯覚を起こしてしまうくらいに、それは懐かしく、現実的ではなかった。
「これは……」
ふと、龍雅の口から言葉が漏れる。
それは決して意識したものではなかった。
安堵した心が、彼の口元を緩めたといってもいいだろう。
すると
38.初音島
2013年11月07日 00:08
この島で、何度も咲いて、枯れた枯れない桜の大木が、再び咲いた。
その薄紅色の花びらが、1人の魔法使いに、その想いと記憶を運ぶ。
「……うにゃ」
寝ぼけ眼をこすって状態を起こすと同時に、その脳裏に鮮明で、それでいて覚えのないシーンが次々とフラッシュバックする。
風見鶏、魔法、桜、霧、禁呪、ロストボーイ、ダ・カーポ、枯れない桜の奇跡作戦、5人の少女、1人の少年――
――そして、その場にいた、自分自身。
そこにいた自分は、過ちに苦しんでいた。後悔に嘆いていた。
もしかしたらこれは、『彼』がこの世界
01.それはそれは摩訶不思議な出会いで
2013年11月06日 00:29
夕日の日差しの差し込む放課後の教室。授業の終わりを知らせる、本日十四回目のチャイムを何となく耳に入れて、机に突っ伏す。腕をクロスさせ、顎が右手首の上辺りに乗るような配置。実に楽だった。
次々とクラスメイトに挨拶をしながら教室を去る知り合いを眺めながら、脇に掛けてある鞄に手を伸ばし、机の中のテキストやノートを放り込んでいく。
いつも通りの放課後。何事も起こらない日常。退屈で、慣れきっていて、それでいてしがみついていたい毎日。だからこそ安心していたのかもしれない。
部活には入部していない。帰宅部だった。運動は得意ではなく、どちらかというと図書館で本を読んでいる方が好きだし、
問おう、ゼロはゼロかと
2013年11月06日 00:24
長編オリジナル小説。大体15万字位を目標に頑張りたいと思います。もしかしたらもう少し長引くかも……
どちらかというと、などと遠回りな表現をしなくとも思い切り文化系で弱々しいもやし体型の僕こと延暦寺灯は、ある日使われていない空き教室で美少女と出会う。何の長所もない僕と、一見全てが完璧に見える彼女との物語は、やがて残酷にも悲劇的な方向へと進路を変えてしまう。僕を守ってくれる彼女を、僕は守り切ることが出来るのか。そんな誰にも理解されない想いは、虚空の彼方へと消え去っていく。
al fine <最終話>
2013年11月05日 23:35
それから、本当に色々あった。
たくさんのことがあって、たくさんのことを経験した。
さて、これから俺に関わった、色々な人が、どんな生活を送っているのか、語らせてもらおう。
まずは、先の戦いで怪我を負ったらしいロイと優香。
彼らは1度魔法学校に戻り、1年間の療養期間を得て、なんとハワイにまで行ってバカンスを楽しんでいるらしい。
小恋が言うには、その時の提案をしていた時の彼らは、“そんな感じ”の雰囲気がしていたのだが、残念ながらロイの方がその気がないらっしく、ただひたすらに女の尻を追い掛け回していたらしい。
それで、療養期間が終わって、魔法学校で主に戦闘
11.幸せを信じて
2013年11月05日 23:34
~エリカside~
初音島の各地制圧もほとんど完了し、あとは騎士団を殲滅するのみとなっていた。
私は兄様と合流して隊列に指示を出し、事の様子を窺っていた。
気になるのは、桜公園の奥の方に向かっていった朝倉先輩や弓月先輩たち。
大丈夫だろうか、果たして勝利を収めることができるだろうかと不安だった。
少し遠い位置に、暇を持て余して、いてもたってもいられなくなった高坂先輩が敵の騎兵の武器を拾って一騎当千しているのは気にしてはいけない。
そして、気にしていた方角から眩い光が立ち上ったと思えば、騎士団の動きが急停止して、次第にその姿を消していった。
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12.キミと奏でる旋律(ストーリー)
2013年11月05日 23:34
しんしんと、桜が舞っていた。
驚くほどゆったりと、音もなく。
俺はそこで、さっきまで音姫と楽しく談笑していたはずだった。
それが、いつの間にか、真っ暗な世界、いや、真っ白か、それとも、ここは一体、何色で構築されているのだろうか?
そう、ここは、紛れもなく俺が新しい世界に来る時に通された空間だった。
ここで俺は『魂の選別者』と名乗る人に出会って、魔法が使える力を授かったのだ。
そして俺は、その空間をゆっくりと歩く。
周囲をきょろきょろ見渡しながら、多分、ひたすらまっすぐに。
そして、呼び止められた。
『貴様はそこから先に来るべきではない』
10.理想の果て
2013年11月05日 23:33
「それが、≪solitary Pluto(孤独の冥王星)≫が亜種方面に覚醒した形態か……」
兄さんは俺の力を感じてそう呟く。
確かに、俺のこの力は決して孤独の力のみで成立したものではない。
確かにそれもあったが、その先に様々な人の想いに触れ、様々な感情を知ることによって昇華した力だ。
本来は、かの言霊のように誰も寄せ付けない、ただ無益に破壊し続けることに特化した力が発言されただろう。
そういった点で、俺のこの力は、本来の≪solitary...
9.力と、想いの衝突
2013年11月05日 23:32
~音姫side~
ズタズタにされながらも、光くんはずっと立ち続けた。
そして、光くんのお兄さん――龍雅さん、といったか――が、光くんに向かって、全力を以って殴りかかる。
光くんは、ただその瞬間を見据えるだけで、何も行動はとらなかった。
そして、2人の拳は、腕は交差した。
その瞬間、光が弾ける。
急な閃光に、私は目が耐えられなくなり、たまらず瞼を強く閉じる。
それでも瞼を貫通して光が入ってくるため、腕を使って遮光せざるを得なかった。
そして、眩い光が消え、視界が開けてくると同時に、私も自分の眼で周囲を確認した。
光くんは――木にもたれるよ
8.奇跡の起きない平等な世界
2013年11月05日 23:29
正直、驚いたなんていうレベルではなかった。
光雅が言うには、世界の存亡をかけるような、大きな戦いになる、なんて言ってたけれども、それならば負傷者が出ることは覚悟していた。
……いや、出ないに越したことはないが。
それでも、美夏ちゃんから連絡が入った時、耳を疑った。
ロイくんが左腕を失ったこと。
そして運び込まれた時、ロイくんには意識はあって、自分の足で歩いていたものの、本当に左肩から先はなかった。
魔法、なんてものを使って止血はしていたのだろうが、それでも、痛々しくて見ていられなかった。
それは茜もまひるちゃんも同じようで、あまりの出来事に、言葉を失っていた。
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