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27.雲は再び光を隠す

2013年06月03日 15:08
グニルックの大会が数日後に迫るある日。 龍輝とリッカは学食にて2人で食事をとっていた。 主に会話の内容は、数日後のグニルック大会のことである。 というのも、龍輝は、サラの出場がクラスに知れ渡ったタイミングを見計らって、クラスメイト全員で一団結してクラスマスターのリッカをぎゃふんと言わせてやろう、と焚き付けていたおかげで、初心者なのにやたらと筋のいい清隆や、同性の、数少ない心を開いている友達である姫乃を中心にしてトレーニングに励んだ結果、かなり実力を伸ばしたのだとか。 それで少しばかりその龍輝の対応に不服を感じたリッカは、学食に龍輝を連れ出して尋問している最中である。 &

26.暗く霞むその奥

2013年06月03日 15:07
その日の夜、龍輝はリッカの部屋にいた。 龍輝が頼み込んでみたところ、リッカはあっけなく了承し、部屋に通してくれた。 これまでに何度も入った部屋、そのはずなのに、何度来ても、龍輝はそわそわして落ち着かなかった。 しかし、そんな龍輝でも、リッカが隣に座れば、すぐにでも安心できた。   「ホント、いつまでたっても慣れないのね」   「まぁな」   学園長であるエリザベスからも承認され、生徒会役員であるリッカたちからも歓迎されて、明日から龍輝も予科1年A組の生徒として風見鶏に通うことになるのだ。 普通の学校に通うことになる新入生

25.2人だけの魔法

2013年06月03日 15:05
結局―― 龍輝は新学期直前まで生徒会室に顔を出さなかった。 シャルルや巴はともかく、リッカが最も彼を心配していたようだ。 清隆を救出したというのに。 誰も失うことなくことを運ぶことができたというのに。 彼1人だけ、苦しそうな表情で何も言わずに部屋を出ていった。 その時は清隆が優先で龍輝に気を回す余裕がなかったが、ほとぼりが冷めてから考えてみると、やはり龍輝の様子はおかしいと思われた。   そんなある日、新学期直前に、龍輝は生徒会室に顔を出した。 やつれきった顔で、ボサボサになった髪を直そうともしていなかったが、いつも通りの雰囲気で、リッカたちに

D.C.Ⅲ.C.E 書き溜め一斉放出

2013年04月01日 19:29
こっちに顔を出すのも久しぶりだなぁ。とにかくタイトル通り、書き溜めてたものを放出しました。一次も書かないとなぁ。

24.全て分かる、今

2013年04月01日 19:16
ただ無限のように続く、暗闇の世界。 その中で龍輝は、ただ清隆の精神世界への入り口を探していた。 当てはない。 始めて来る場所であり、初めて使った魔法でもある。 だから、夢の中でいかに動くべきか、その定石も全く分からない。 だから、手当たり次第に歩き回るしかなかった。 どれくらい歩いただろうか。 一箇所から、遠いところで何か光っているのが見えた。   ――これだ。   迷わずにその方向に向かって走る。 次第にその光源は近くなり、その光の大きさを増す。 そして、それを目の前にして――その光の中に飛び込んだ。  

23.異変、混乱

2013年04月01日 19:15
冬休みのある日、龍輝は清隆と一緒に図書館島に行くことになった。 清隆は何か調べものがあるとかで、ついでに現在の自分の閲覧レベルをチェックしようという意図。 一方龍輝は、手に入れた不完全な無限の魔法の知識をより精度を高め、完成させるためにその資料集め、といったところだ。 清隆たちには事の一部始終を説明しておいたのだが、特に詮索することもなく、ただ事実だけを受け止めてくれた。 ボートに乗って移動中のことである。   「龍輝さんって、魔法のことに関してなんでも出来るようになったんですよね?」   「ああ。若干語弊があるが、あながち間違いじゃない

22.手に入れたもの

2013年04月01日 19:07
例の事件の日から、何日か経った。 その事件の真相は、結局何も分からないまま、闇に葬られて迷宮入りしてしまったようだ。 そして、これを期に様子がおかしくなったのがいる。 あの黒龍を体内に寄生させた龍輝である。 特に体調が悪いとか、魔力や精神に異常をきたしているとか、そういった不具合ではないようだ。 というのも、リッカたちが魔法の話になると、何かを思い出すように考え込んでしまい、次の瞬間には傍を離れていることが多くなったのだ。 そしてリッカたちが訊いても何も話してはくれず、しばらくよく分からないまま放置していた。 そして、場所は生徒会室、今回もまた、である。 &

21.『実験』の終わり

2013年04月01日 19:05
翌日、龍輝はシェルでテキストを受けとる。 差出人はシグナス・ルーン。 用件は、『これから最後の『実験』を行う、至急『研究施設』に顔を出すように』とのことだ。 龍輝は少しばかり『実験』に赴くのを億劫に感じたが、それでも最後の『実験』だ。 この世界全ての魔法使いが安全に魔法を行使できるようにするため、魔法に関する道具などの技術の向上を進めるために行われている『研究施設』の『実験』。 自分の我が儘のせいでその進行を遅らせることになるのには変わりはない。 そして、それによって自分に期待をかけて育ててくれた育て親を裏切ったことになる。 だから、せめてもの償いとして、最後だ

20.研究と息抜きと

2013年04月01日 19:03
先に明言しておこう。 学生寮では、原則、異性の寮の部屋に入ることは禁止されている。 そして、本科1年A組、リッカ・グリーンウッドは、予科1年A組のクラスマスターであり、生徒会役員の1人である。 彼女の部屋は、床には物が散らばり、足場がないというほどでもないが、物が散乱していて、女性の部屋とは思えないような雰囲気を醸し出している。 それだけなら個人の問題であるため別に特筆すべきことでもないのだが。 その部屋には、いてはいけない人間がいた。   ――上代龍輝。   男である。 リッカに対して、異性に当たる人物である。 リッカは自分

19.変わりゆく世界

2013年04月01日 18:59
「おい」   「何?」   生徒会室でぶらぶらしていると、スライが入ってきた。 挨拶もなしに龍輝に歩み寄り、その胸倉を掴む。 どうやらただ事ではないことだけは分かる。 スライが龍輝を睨む。 逆に、龍輝もスライを睨む。 そして、スライが口を開いた。   「お前、彼女出来たらしいな……」   「……は?」   「は、じゃねーよ。お前、誰だよ、その彼女ってのは!?」   「何で知ってんだよ……」   「風見鶏の校内新聞読んだよ。記事の写真で、後ろの方で
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