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18.仲良くなるということ
2013年03月06日 00:42
まだ、夏季休暇は続いていた。
龍輝が自分の口で自己紹介をしてから数日が経ったある日。
龍輝はグラウンドの隅の木陰で、横になってボーっとしていた。
別に何をするわけでもなく。
とはいっても、今は、唯一の居場所である生徒会室は仕事で忙しいだろうし、特にいく当てもなかった。
風で木の葉が揺れ、木漏れ日が龍輝の顔に触れる。
眩しくて、目を閉じた。
瞼を貫通して瞳に届くような感触を覚える。
今日の日差しは、それほどに強かった。
上体を起こして腰を引き、気の幹にもたれかかるようにして座る。
そよ風が頬に触れ、熱を拭い去っていく。
不意に眠気が襲い掛かり、意識
17.名前と名前
2013年03月06日 00:40
初めての出会いから2日後。
生徒会は今日も大忙しである。
夏季休暇中とはいえ、することはたくさんある。例えば、グニルックの大会1つ開催するに当たっても、魔法学校関連機関に手配する必要があるし、観客の動員の際に、その人数の把握、座席などの確保、出場選手の確認、大会中の販売に関する制約や種類の確認など、枚挙に遑がない。
更に、勿論、風見鶏生徒会の通常の業務もある。
「リッカさん、この書類、チェックして向こうの棚に整理して置いておいて」
「了解です」
生徒会室では現在、フルメンバーで作業に当たっている。
ちなみにリ
16.ツナガリ
2013年03月06日 00:39
五条院巴、シャルル・マロース、リッカ・グリーンウッドの3人は、生徒会でもかなり大きな力を持っていた。
というのも、卓越した機動力を持つ巴、天才的な知識量と頭脳を持つシャルル、極めつけはカテゴリー5の魔法使いであるリッカである。能力的に見ても、彼女たちは
現生徒会でも頂上のレベルにあった。
その3人が生徒会室に戻ってきた時、1つの椅子に少年が1人座っていた。
彼は俯いていて、元気がなさそうで、まるで“生かされている”人間にも見えた。
「お帰りなさい、リッカさん、シャルルさん、巴さん」
「ただいまー
15.出会いの始まり
2013年03月06日 00:37
時は2年ほど前に遡る。
これは龍輝が、3人の少女と出会い、打ち解けていく、過去の物語である。
見届けて欲しい。
何故彼が、『ここ』に居場所を作ることが出来たのかを――。
ちょうどその頃だった。彼が『研究材料』としての役目を負うことになったのは。
何の特徴もない、言い換えれば、純粋で、何にも染まっていない、そしてこれから先どうにでもなる魔力を持つ者。
その名を、上代龍輝と言った。
彼は生まれてこの方、親代わりの者、そして研究職の人間としか会ったことがなかった。
他人と、まともに接したこともない。
今日もまた――始まる。
過酷な、『実験
14.聖夜の誓い
2013年02月15日 17:25
クリスマスパーティーの日――すなわち生徒会選挙の日の数日前。
龍輝は生徒会室にいた。
そこには、シャルルしかいなかったのだが。
他の役員やリッカ、巴は、会場やそのほかの準備に出払っていた。
龍輝はただ椅子に座ってぼーっとしていた。
考えていたのは、金髪の美少女。
――リッカ・グリーンウッド。
考えているだけで、幸せな気分になる。
そんな気がした。
「龍輝くーん」
「どした?」
シャルルの呼びかけに、脳裏のリッカのイメージを消す。
「何ボ
13.月明かりの予感
2013年02月15日 17:24
誰もいない生徒会室で、孤高のカトレア、リッカ・グリーンウッドは物思いに耽っていた。
巴や他の生徒会役員と共に生徒会の仕事をしていて、それも終わったはずなのだが、何故かここを動く気になれない。
そして気になっていたのは、仕事をしていた間ずっと頭の片隅に『あの人』のことが引っかかっていたことだった。
なんで彼のことばかりが思い浮かぶのか、分からない。
確かに彼はいつも自分の傍にいた。
時々生徒会の手伝いをしに来てくれて、そうではない時もただ他愛ない無駄話をするために乱入してきて。
嬉しくなかったといえば大嘘になる。
彼はリッカにとってかけがえのない『友達』なのだから
12.知り合いのサンタクロース
2013年02月15日 17:18
朝起きて、まずはシャルルにシェルで、今日の昼、生徒会室に向かうことを連絡して、『研究施設』に向かう。
正直、スライの一件以来、あそこに行くのには嫌気が差したのだが、『研究材料』であることで風見鶏での存在意義が確立されるのだから、嫌でも行かなければならない。
だが。
――俺は俺自身なんだ。
こう心の中で何度も反芻しながら、次の1回で最後にすることを決意する。
そして、正式な風見鶏の生徒として生活する、そんな理想を抱いていた。
さて、『研究施設』のエントランスに入る。
そこには、いつもどおり、シグナスが佇んでいた
11.霧の中の少女
2013年02月15日 17:17
寮に帰って、ラウンジで、さくらをチェスでボコボコにした。
その様子を見ていたリッカとシャルルは苦笑していた。
さくらは、今度こそは、と悔しがりながら意気込んでいた。
それから数日、また≪女王の鐘≫が鳴り響いた。
今度の依頼は、ハイドパークホテル及びその周辺に出没したテロリストを確保することである。
かなり大掛かりな依頼なため、予科1年全クラス及びクラスマスターの所属クラス、つまり本科1年の有志の人間が協力して任務に当たった。
龍輝は犯人確保の部隊で巴の指示を仰ぎつつ、1人で3人の犯人を確保することに成功した。
だが、1番活躍したのは、清隆である。
彼は、ハイ
10.『もう1つ』の禁呪
2013年02月15日 17:01
男は不敵に微笑んだ。
その男、『研究施設』の最高権力者である、シグナス・ルーン。
「さて、禁呪の準備は整った……」
場所は、薄い灰色のコンクリートで出来た、かなり広い部屋。物一つ押かれていない。
その床に、白いチョークで、正確かつ慎重に魔法陣を書き込んでいく。
その魔法陣は、玄人の魔法使いでも解読し難い高度の術式を複雑に組み込ませており、かなり強大な力を引き出す。
利用するのは、地上に広がる悪夢の禁呪。暴走するそれの力の流れを呼び込み、変換する。
そして、“幻”に“実体”を与えてやる。
そう、それは、禁じられた“召喚術”。
09.≪加速運動(アクセラレート)≫
2013年02月15日 16:47
『薔薇に頼み事をされたなら、鼻にソーセージをつけてやれ』
予科1年A組の葛木清隆は、他の組の生徒会の立候補者と違い、ネームバリューがないため、選挙ではかなり不利になる。そこで、非公式新聞部という組織のリーダーである、杉並という男に参謀を依頼したのだが、その条件として出された暗号がこれであるらしい。
これをメアリー・ホームズ率いる探偵部が解読に成功したようで、その意味は、
『女王陛下の依頼は2番目のものを選べ』
というものであった。
そういう訳で、清隆は、不安がるクラスメイトを退けて、リッカにその旨を告げた。
リッカがあいつらしい、と零したことから、
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